ニューヨーク市内の名門私立女子校の黒人卒業生たちが、在学中の人種差別体験をSNSに投稿し、差別撤廃を求める動きが広がっている。ウォール・ストリート・ジャーナルが14日、報じた。
アヨ・ルイスさん(21)はマンハッタン区ブレアリースクールを2017年に卒業した黒人3人のうちの1人。在学中「『アファーマティブ・アクション(マイノリティー優遇措置)を使ったから入学できた』と侮辱された」とインスタグラムに書き込んだ。ジェーン・フォーリー校長は、声明文で「差別を告発した勇気を尊重する。深くお詫び致します」と謝罪した。
同区チャピンスクール出身のミエシャ・アグリッパさんも差別体験をインスタグラムに投稿。学校へ「抜本的な改革」を求めている。パトリシア・ハヨット校長は「教職員は過去10年間、人種差別を撤廃するために多くの活動を行った。しかしまだ足りていない」と答えている。
同区スペンススクールの卒業生は「#blackspence
speaks」を立ち上げた。白人学生の差別行為に対し学校の対応が不十分との声が寄せられた。人種問題を扱う授業実施や偏見・差別行為の報告制度導入を求める嘆願には900人を超える署名が集まった。ボディー・ブリゼンディーン校長は「差別的な状況を根絶する」と話している。
こうした名門校は近年、奨学金を出すなど、マイノリティーの受け入れに積極的だ。それでも、黒人の生徒数は全体の10%に満たないという。