自宅の前でバーベキューをしていたところを、ニューヨーク市警察(NYPD)に拘束され、やけどやけがを負った黒人男性が、NYPDを提訴することがわかった。男性の代理人弁護士が16日、申し立て通知を提出したことにより明らかになった。ゴッサミストが17日、報じた。
タイレイク・バウアーズさん(20)はメモリアルデーの5月25日、ブルックリン区クラウンハイツのモンゴメリーストリートにある自宅の前で、家族や友人らとバーベキューを楽しんでいた。そこへ、第71警察管区の犯罪防止班の私服警官複数が現れ、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした社会的距離のガイドラインに違反するとして、バーベキューを強制的に中止させ、家の中に入るよう命じた。警官らはグリルの上にあった食べ物や炭を地面に投げ、家に入って階段を上っていたバウアーズさんを引きずり下ろし拘束したという。
警官により地面にうつぶせにされ、後ろ手に拘束されたバウアーズさんは、地面に散らばった炭により、顔や手、肩などにやけどを負った。逮捕されたバウアーズさんは、翌日の午前5時まで拘留され、裁判所への出頭や起訴されることなく、同日午後1時に釈放された。
NYPDによると市内の外出制限中、社会的距離の違反で逮捕されたうちの約3分の2が黒人だった。ヒスパニック系は24%。白人は7%だった。
また、NYPDのダーモット・シェイ本部長は15日、これまで捜査方針の批判を受けていたことや、NYPDのコスト削減を理由に私服警官の犯罪防止班の解散を発表している。