ペンシルバニア大学ウォートン・スクールのシリ・メルマッド助教授は、スマートフォンを使うと、人は「個人的な意見や体験談などを話しやすい」傾向が強いとの研究結果を学術雑誌、ジャーナル・オブ・マーケティングで発表した。ウォール・ストリート・ジャーナルが14日、報じた。
同助教授は、12時間の間に投稿された30万件のツイートを分析。スマホを使ったツイートはパソコンを使った場合に比べ、「私」「私たち」といった第1人称の使用が47%、家族や友人に関する記述が52%も多いことを明らかにした。口コミサイト、トリップアドバイザーに投稿された1万件超のレストラン評価の分析でも同様の結果が見られた。スマホのスクリーンは小さいため、「注意の幅が狭まる現象」が起こるという。「個人的な内容を求められたとき、周りが見えなくなって、素直に答えてしまう」とマルマッド助教授は説明。「スマホは心理的に利用者をなだめる『大人のおしゃぶり』。安心感をもたらすため、つい口が滑るのでは」とも話している。
同助教授は企業に対し、消費者がスマホからマイナス評価を投稿した場合、風評被害を及ぼしやすい可能性があるため、注意するようアドバイス。逆に、良い評価を得られると確信する場合は、スマホの利用を依頼すれば、説得性が高まると推奨。また、スマホを対象にした広告も有効だとしている。