ユダヤ教キャンプ運営者協会および、ニューヨーク州の保護者団体は18日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、宿泊のサマーキャンプを禁止した同州クオモ知事を、憲法で保護された権利に違反しているとして、同州北部地区連邦裁判所に提訴した。ゴッサミストが同日、報じた。
クオモ知事は12日、多くの研究や調査結果から、毎年恒例のサマー宿泊キャンプを行うことは感染のリスクが高いと判断。同州で予定されていたすべての宿泊キャンプを禁止することを発表した。
同州保健局のハワード・ザッカー局長も13日の記者会見で、キャンプでは大勢の子どもたちが寝床を共にし、共有の場所で食事をとり、共同シャワーを使うことから、「社会的距離を保つのは不可能」と主張していた。
しかし、原告のブルックリン区を拠点とするユダヤ人キャンプ運営者協会は18日、知事の命令が、宗教の自由な行使および「宗教的教育と子供の養育を管理する親の基本的権利」といった憲法で保護された権利に違反すると主張。また、ユダヤコミュニティーの子どもにとってサマーキャンプは、宗教の勉強に集中する「特別な機会」と説明。暫定的な差止め命令や禁止に対する速やかな救済を求めている。
また、原告は、感染対策を理由にキャンプが禁止されているにも関わらず、ニューヨーク市内のジョージ・フロイドさん暴行死事件や人種差別に対する大規模な抗議運動に対しては、社会的距離の違反が寛容であることから、「同命令が平等に行使されていない」と主張している。