MTA、コロナの感染対策を模索 熱探知カメラやAIを導入か

 ニューヨーク州都市交通局(MTA)は新型コロナウイルスの感染拡大予防対策として、熱を探知するサーマルカメラや殺菌灯の導入を検討している。ウォール・ストリート・ジャーナルが22日、報じた。
 MTAはこのほど、感染予防策を報告書にまとめるよう、コンサルタント会社、WSPSPUSAに依頼。22日、その一部が公表された。報告書は他国の例を集積。カナダやシンガポールでは駅に熱探知カメラを置き、感染の恐れがある利用客の入場を禁止すると記載されている。また、香港の車両内殺菌ロボットにも言及。マスク着用状況を把握するため、パリでは人工知能(AI)を使っているとしている。MTAのCEO,パトリック・フォイ氏は、「あらゆる対策を検討したい」とコメント。「パリで使っているAI技術には、我々も興味がある」と続けた。ただ、熱探知カメラについては、市内のバス停が1万カ所もあるため、全てに配備するのは不可能との見解を示した。
 報告書はMTAの新型コロナウイルスの対応を巡る分析も含まれており、24日の理事会に提出される予定。フォイ氏はインタビューで、紫外線を使った殺菌灯の設置など「先手を打っている」と豪語するが、MTAの約7万4千人の従業員からは、パンデミック当初にマスクの使用を認めなかったなど、不手際を指摘する声も上がっている。バスや地下鉄運行関係者など、これまでにMTAの従業員のうち132人がコロナ禍に死亡している。

ブルックリン区ボローホール駅のホームには、社会的距離の目印が貼られている(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)

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