MTA「史上最悪の財政難」に直面 コロナ禍、利用者の減少により

 ニューヨーク州都市交通局(MTA)のパット・フォイ委員長兼CEOは24日、新型コロナウイルスの影響により、MTAが100億ドル(約1兆円)の赤字を抱え、史上最悪の財政難に直面していると発表した。amニューヨークが同日、報じた。
 MTAはこのところ、コロナ禍により利用者が大幅に減少し財政状況が悪化。2020年から24年にかけての資本計画を、510億ドル(約5兆5000億円)で検討することを余儀なくされている。
 連邦上院議会は、39億ドル(約4181億円)の支援を見込んでいたヒーロース法の成立に行き詰まり、混雑課金制度も米運輸省の承認待ちの状態。そのためさらに経費削減が必要となっている。
 同日行われたMTAの会議で、最高幹部らは、新型コロナウイルスの影響により過去3ケ月間、収入源が枯渇しているため、以前から検討されていた市内の地下鉄とバスを近代化する計画は、延期すると発表。月に5億ドル(約536億円)を失い、必要な80億ドル(約8577億円)の刺激給付金の半分しか受け取っていない。これまでに100億ドルの赤字を抱えているという。人件費の削減、運賃および通行料の引上げ、サービスの削減など、さまざまな救済策が検討されている。またMTAによると、4月下旬にCARES法によって連邦政府から38億ドル(約4074億円)を提供されたが、6月末にはそれを全て使い果たす可能性がある。2021年に必要とされる60〜70億ドル(約6433〜7505億円)の資金調達のために、連邦政府からのさらなる支援を求めているという。

 

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