コロナ禍でプラ製品の売り上げ急増 米国、使用自粛の動きから一転

 新型コロナウイルスの影響により、使い捨てレジ袋など、プラスチック製品の売り上げが増加している。ウォール・ストリート・ジャーナルが29日、報じた。
 パンデミック以前、米国では使い捨てプラスチック製品の廃棄物による環境汚染を防止するため、使用を自粛する動きが多く見られた。これによりプラスチック業界が打撃を受けていた。しかしパンデミックが始まってからは、使い捨てプラスチック製品の方が布製品よりも衛生状態を保ちやすいと重要視され売り上げを伸ばしている。
 ウイルスの感染を防ぐため、バーでは、飲み物がプラスチック製カップに入れられ、スーパーマーケットでは、果物や焼き菓子がビニールの袋で包装されている。オフィスでは、ドアノブからエレベーターのボタンまで、すべてにプラスチックのカバーが付けられるようになった。
 環境問題を配慮してこれまで推進されていた再利用可能なエコバッグなどが「ウイルスをまん延させる可能性がある」とされ、レジ袋を無料化したり、ニューヨーク州では使い捨てレジ袋使用を禁止する「レジ袋禁止法」が一時的に撤廃された。
 調査会社ウッド・マッケンジーによると、米国では、プラスチック製品を中心とした簡易パッケージの需要が、昨年の3%から、今年は10%増加すると予測されている。ヨーロッパでは、昨年の1.5%から、5%以上の増加が見込まれている。
 しかし、ビニール袋や包装、小分け袋など、日常的に使われているプラスチック類の多くが複数の種類の原料と混合されたプラスチックから作られているため、リサイクルが非常に困難であることが引き続き問題視されている。

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