マンハッタン区ニュースクール大学の社会政策研究所「センター・フォア・ニューヨーク・シティー・アフェアーズ」は、新型コロナウイルス禍で、年末までに50〜60万の仕事がニューヨーク市内からなくなる可能性があるとの報告書を発表した。ゴッサミストが1日、報じた。
雇用が減少する可能性がある職種の半数は飲食店、小売業、芸術やエンターテイメント関連で、対面サービスを行う業界であると、同書は指摘。また、減少する可能性を指摘されている職種の多くが低賃金で、約41%は年俸2万ドル(約210万円)以下、4分の1も2〜4万ドル(約210万〜430万円)だ。また、労働局によると、市内の5月の地域別の失業率は、クイーンズ区が19.9%、ブルックリン区が18.2%、マンハッタン区が13.7%、スタテン島は16.5%、ブロンクス区は21.6%だった。一方、技術関連や専門職・管理職など高賃金の仕事は、比較的影響を受けていない。「コロナ禍の経済的影響は不均等だ」と分析している。パンデミック以前はニューヨーク市内に市内に約400万の雇用が存在していた。
連邦政府の支援策や公共医療危機など不確定要因もあり「今後、悪影響は深刻化するおそれがある」と、同報告書作成に携わった経済学者、ジェームズ・パロットさんは指摘。小規模企業の経済的援助や職業訓練に対する支援、州や市など地方自治体の経済救済を連邦政府が実施するよう提案している。さらに連邦議会はCARES法による週600ドル(約6万5000円)追加失業保険金給付を7月末後も継続し、約20万人と推定される不法就労者にも経済支援が必要だと訴えている。