NY市、不法移民に現金支給を開始 ジョージ・ソロス氏が2000万ドルを寄付

 ニューヨーク市でこのところ、新型コロナウイルスの影響で職を失った不法移民を対象に現金支給が開始された。ゴッサミストが9日、報じた。
 不法移民は失業保険給付もなく、連邦政府からの現金支給を受けられない。著名投資家、ジョージ・ソロス氏の慈善団体、オープン・ソサエティー基金は4月、こうした移民を対象に現金支給を行う資金として2000万ドル(約21億3600万円)をニューヨーク市に寄付。市は、受給者のプライバシー保護などを条件に30の慈善団体を選んで不法移民に支給させることにした。
 マンハッタン区ローワーマンハッタンにあるカソリック・チャリティーの移民・難民サービス部門もその1つ。8日までに、950世帯に現金を支給した。受給者は同部門が運営する英語講座の受講者から選んだ。支給はキャッシュカードで、金額は家族構成や他の援助を加味して1000ドル(約10万7000円)まで。ホンジュラス出身のニディアさん(44)は、500ドル(約5万3400円)分のキャッシュカードを受け取った。2人の子どもを抱えるシングルマザー。高齢者を対象とした訪問介護の手伝いをしていたが、コロナ禍の影響で失職した。パンデミックが始まってからは学校が無料で配給するランチやフードバンクに頼っていたという。「ちょうど必要としている時に、神からの助けだ」とスペイン語で話した。牛乳などの生活必需品購入にあてるという。
 市長室では7月末までに支給を完了し、約2万世帯が恩恵を受けるという。

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