屋外営業のルールに翻弄される飲食店 「部局ごとに指示が違う」と話す店主も

 ニューヨーク市の飲食店の屋外営業をする際、そのルールを巡る指示が、市の各部局で異なり、飲食店は対応に四苦八苦している。ニューヨークポストが14日、報じた。
 「頭痛の種だ。どの部局も正確に把握していない」と憤るのはウイルソン・リーバスさん(43)。マンハッタン区ガーメントディストリクトにあるイタリア料理店、ヒーローボーイの店主だ。9番街と西38丁目の角にある店の外にテーブルを出したところ、壁で消火栓が隠れたため「市消防局(FDNY)から一部を切り取るように指示を受けた」。ところが、次にやってきた建設局(DOB)からは「元に戻すように」。運輸局(DOT)からは「壁を厚くしろ」と言われた。その度に費用がかかり、当初の予算1200ドル(約13万円)が3000ドル(約32万円)に跳ね上がった。
 市内で屋外営業を行っている飲食店は8300軒以上。リーバスさんのような苦情は珍しくない。同区西9番街のアジア料理店、ファリダ・セントラル・エイジアン・クイジンの共同経営者、ファリダ・リチアルデリさんは「毎日のようにやってきて、その度に言うことが違う」と呆れ顔。3週間で8回、異なった機関からの査察を受け、屋外営業するために合計で1万ドル(約107万円)を費やしたというブルックリン区にある飲食店の店主もいる。
 市長の広報担当者によると「DOTは飲食店に対して懇切に指導している」。また、全体の8%が屋外営業の中止命令を受けているという。

屋外営業するマンハッタン区ミッドタウンの飲食店(Photo: Yuka Takeuchi / 本紙)

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