モペッドの貸し出しサービスを提供する企業「レベル」は28日午前、利用者の人身事故が多発していることを受け、ニューヨーク市内でのサービスを一時停止すると発表した。
各メディアが報じたところによると、同日早朝、クイーンズ区のウッドヘブンブルーバードで同社のモペッドを利用していたジェレミー・マラべさん(32)が道路の信号機に衝突、搬送先の病院で死亡が確認された。また、19日には、CBSニューヨークのリポーター、ニナ・カプールさん(26)がブルックリン区で死亡。先週末にも2人が負傷した。歩行者を巻き込む事故もあり、複数の訴訟が起きている。
26日付のゴッサミストによると、レベルは、約2年前にブルックリン区で創業。現在はマンハッタン区内にも進出している。運転免許を持っている人なら誰でも利用可能で、1回5ドルの使用料と1ドルのロック解除料を払うと、1分35セントでモペッドが借りられる。1ドルを追加すると同乗者を乗せることも可能だ。利用者は使用の説明ビデオを見ることが必須になっているが、安全性を疑問視する声が多数あった。事故にあった利用者や歩行者の弁護士、ダニエル・フランジグ氏は「安全教育やヘルメット着用の義務付けが不十分」と批判。歩行者を避けるためモペッドを止めようとして事故を起こし、足に重傷を負ったジョン・ルイズさんは、「タイヤはすり減り、ブレーキも効かなかった」と話している。
レベルは28日、サービス停止に伴い「市当局と連絡を取り合い安全対策を強化する」と表明。再開時期は未定だという。