ニューヨーク州のクオモ知事は7日、コロナの影響を受け強制退去通知を受けていた賃借人を保護するため、今月5日までとしていた家賃滞納の立ち退きに関する訴訟の停止を9月4日まで延長する行政命令に署名した。ゴッサミストが同日までに報じた。
ニューヨーク市では、立ち退き猶予が終了することにより、市内の約1万4000世帯が、数週間以内に強制退去の危機に直面することが懸念されていた。
これらの世帯は、1〜3月の間に強制退去の通知を受けていたが、公衆衛生への危機が高まったため、知事命令および裁判所の指導により、強制退去を一時的に免れていた。このうち1万1500世帯が家賃の滞納により、また2200世帯が賃貸契約違反などにより立ち退きを迫られていた。猶予期間が終了した場合、執行官は翌日以降から強制退去通知の発行が可能となり、賃借人は通知を受けてから2週間以内に立ち退く必要がある。しかし、米郵政公社の問題で郵便が遅延状態にあるため、立ち退き期限までに通知が届かない恐れもあった。
ブルックリン区では5日朝、不動産専門の弁護士事務所の外で賃借人活動家の団体による抗議運動が行われた。
クオモ知事は6月30日、パンデミック中の経済的困難により、家賃を滞納した賃借人を、強制退去させることを禁じるテナント・セーフ・ハーバー法を法制化しているが、パンデミック前の滞納は対象外となっている。