ホームレス数百人がホテルに滞在 治安乱れ、UWSの住民に恐怖と怒り

 ニューヨーク市で新型コロナウイルスがまん延し、密を避けるためにホームレスをシェルターから市内のホテルに移動させたが、中でも数百人を受け入れたマンハッタン区アッパーウエストの住民の間で、治安の悪化などの懸念が高まっている。ニューヨークポストが6日、報じた。
 精神障害者や麻薬中毒者、登録性犯罪者などのホームレスを受け入れているのは、同区77丁目ブロードウェイ街の高級ホテル、ベルクレアや西79丁目のルサーン、西88丁目にあるベルノードの3軒。
 性犯罪者として市のリストに登録されている10人が宿泊するベルクレアは、公立学校、PS87ウィリアム・シャーマンの運動場からわずか1ブロックの距離。79丁目のリバーサイドパーク沿いでは、幼児を乗せたベビーカーを押していた女性が、ホームレスの男2人から、麻薬の購入を持ちかけられたという。他にも、路上での立小便や自慰行為、寝転がる姿などが目撃され、住民からは恐怖と怒りの声があがっている。
 市ホームレスサービス局は、約8週間で1万人以上のホームレスをシェルターから139軒のホテルに移動させた。ホームレスの移動に数億ドルが費やされ、その75%を米連邦緊急事態管理局(FEMA)が、25%を市が負担した。ホテルとの契約は10月までの短期だが、延長される見込み。また、市はホテルに、ホームレス1人あたり1日175ドル(約1万8600円)、または2人部屋に1日350ドル(約3万7000円)を支払っているという。

最新のニュース一覧はこちら