NYのライブハウス、コロナで瀬戸際 屋外コンサートに活路も

 ニューヨーク市内のライブハウスは閉鎖が続く。いつ再開できるかは闇の中。家賃の高騰や大手業者との競争もあり、死活の瀬戸際にある。ウォール・ストリート・ジャーナルが10日、報じた。
 マンハッタン区グリニッジビレッジのクラブ「ザ・ビター・エンド」。ボブ・ディランといった著名歌手も出演した創業60年の老舗だ。レディー・ガガを育てたことでも知られる。オーナーのポール・リゾさんは、「再開しても元が取れるかどうかわからない」と表情が暗い。定員230人。入場制限しては、十分な収入を見込めない。
 開催されたコンサートの件数を集計する団体、オー・マイ・ロックネスによると今年3月15日から12月31日までに市内で1620公演が予定されていたが、7月末までにその大半が延期や中止を決定している。昨年同時期に8450公演が行われたのとは大違いだ。
 屋外コンサートに活路を見出したところもある。同区「シティ・ワイナリー」は8日から、ハドソン・バレーに場所を移して屋外コンサートを開始した。チケットは売り切れ。2000人収容できる会場に380人までと入場制限を行い、観客の体温チェックも実施する。収入減は、食事や酒類の販売で埋め合わせるという。最近、マンハッタンのピア57にも2000万ドル(約21億円)をかけてスペースを確保。創業者のマイケル・ドーフさんは「慎重ながらも、楽観的」と自信をのぞかせている。

グリニッジビレッジにある「ザ・ビター・エンド」(Photo: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Beast_0114.jpg)

最新のニュース一覧はこちら

タグ :