新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、閉鎖が続いているニューヨーク市の美術館の一部は、ニューヨーク州による再開許可の見通しが立たぬまま、再オープンを計画している。ウォール・ストリート・ジャーナルが10日、報じた。
美術館の営業再開は当初、経済活動再開の第4段階(フェーズ4)に含まれ、7月20日から予定されていた。しかし市の美術館は、今も閉鎖が続いている。一方、市を除く同州の他の地域では、美術館の営業が再開している。
マンハッタン区ローワーマンハッタンのザ・ミュージアム・オブ・ジューイッシュ・ヘリテイジ(ユダヤ文化遺産博物館)は8月10日、9月9日の再オープンを目指していることを発表した。メトロポリタン美術館(MET)は8月29日に、またアメリカ自然史博物館、ニューヨーク・ヒストリカル・ソサエティ・アンド・ポスターハウスも、8月から9月に再オープンを計画している。これらの施設は、営業再開に際し、入場制限やハンドサニタイザーの設置、営業日を減らし、休館日に徹底した清掃を行うなど、来館者の安全を確保するために多くの予防策を講じる予定だという。
しかし、同州の報道官は10日、「引き続きデータと科学を追跡し、専門家が安全であると判断したときに、市の文化施設の再開を決定する」と発表している。