コロンビア大学およびニューヨーク大学(NYU)は、博士課程の大学院生が海外からリモート授業を行った場合、給料を支払わないと発表し、物議をかもしている。ゴッサミストが12日、報じた。
博士号候補生は通常、授業料は無料で、学生に教えることにより得る給料を含む生活費などの奨学金を受けている。コロンビア大学院芸術科学研究科の博士号候補生の現在の奨学金額は、3万232ドル(約322万円)で、そのうちの1万ドル(約106万円)は、1年間に9カ月間授業を行うことにより得られる。しかし同大学は今月初旬、リモートか対面授業かは関係なく、米国内にいる博士号候補生にのみ、給料を支払うと発表した。
同科に在学する約6000人のうち、約半数は留学生で、その多くが新型コロナウイルスのまん延を懸念し、新学年度は国外に留まる計画であったため、この方針を厳しく批判した。
コロンビア大学は7日、同方針について、就労許可の問題や在留資格を失うリスク、学生や大学に課される税金への影響、適用される現地の法律を考慮したものであると、電子メールで説明した。
また同大学の報道担当によると、「大学側は、外国にいて有効な米国の就労許可を持つ大学院生に奨学金を支払うことを可能にする方法を積極的に模索している。迅速に解決することを望んでいる」との声明文を発表した。NYUも11日、学生に対し同様の電子メールを送信していた。
一方、ニュースクール大学、ラトガーズ大学は米国外にいる博士号候補生に対しても給料を支払っているという。