若いプロフェッショナルが集まり、終業後はビールのケグを囲んで集った共同オフィス。シェアエコノミーの旗手として、高額の賃貸契約を次々に締結し、急速にスペースを拡大していった。ところがコロナ禍で在宅勤務が広がり、需要が減少している。ウォール・ストリート・ジャーナルが11日、報じた。
世界最大手のシェアオフィス、リージャス(IWG PLC)は、今年前半に32カ所を閉鎖。後半には全体の4%にあたる100カ所を閉じる。ニューヨーク市を本拠とするノーテルも第2四半期に収益が20%減少しておりスペースを20%縮小する意向だ。ウィワークは賃貸契約解除に腐心。2018年に締結したマンハッタン内の賃貸契約を終わらせるために、640万ドル(約6億8000万円)の罰金を支払った。
不動産ブローカーJLLは、市場全体の5分の1にあたる、4500ケ所、2,500万平方フィート(約2平方キロメートル)の共同オフィスが閉鎖すると予想している。
コロナ収束後の先行きも明るくない。グーグルは、少なくとも来年夏までテレワークを延長すると発表した。ただ、大手企業が広いオフィスを廃止して、共同オフィスの分散使用を増やすという希望的観測もある。ニューヨークを本拠とするシェアオフィス企業、ボンド・コレクティブの最高経営責任者(CEO)、シュロム・シルバーさんは、「皆、将来に強気な見方をしている」と自信をのぞかせる一方、「そこに至るまでは困難な道程」と唇をかんだ。