NYPDに対する30万件以上の苦情 新法により、NY市民自由連合が公開

 ニューヨーク市民自由連合(NYCLU)は20日、市警察(NYPD)による不正行為に対してこれまでに寄せられた30万件以上の苦情を記載したデータベースを公開した。amニューヨークが20日、報じた。
 同データベースは、警察による民間人への不正行為に対する苦情を調査する独立機関、ニューヨーク市民苦情審査委員会(CCRB)の記録を基にまとめられたもの。データベースには、1985年までさかのぼり、8万1552人の警官に対する32万3911件の苦情に関する情報が記載されている。
 同データベースによると、2万800件を超える苦情がCCRBにより立証されていたが、これらの苦情のうち、処罰につながっていたのは、8699件だけだった。また、1万9833人の警官が5件以上の苦情を受けていたが、懲戒免職処分を受けたのは、わずか12人だけだった。
 また、主な苦情の種類は、警官が民間人に対して行った「過度の武力行使、職権の乱用、無礼で攻撃的な言葉遣い」など。データベースには、警官の氏名、階級、所属する警察管区、苦情の詳細、苦情の有効性についてのCCRBによる調査結果、処分があった場合の注記などが含まれている。
 1976年に制定された公民権法第5条a項は、警官や消防士、刑務官の個人情報は、本人の許可がなければ、部外秘とし、調査の対象としないことを定めていたが、ニューヨーク州議会が6月、警官警察による人種差別や暴行を阻止することを目的に、同法を廃止したことで、苦情の公開が可能となった。

警官の人種差別に対する抗議活動の様子。6月、ブルックリン区で撮影(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)

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