「足が不自由な老婆、ノーブラのティーンエイジャー、黒人解放組織のメンバー、子供を背負った若い母親などあらゆる女性が参加していた」と当時の記事が語るウーマンリブ(女性解放運動)の大規模デモがニューヨーク市内で行われたのは1970年8月26日。ちょうど50年前になる。ニューヨークタイムズが26日、報じた。
女性参政権が認められて50年の節目だった。「やり残した仕事を全うしよう」と男女同権や人工妊娠中絶の自由化を求め、看護師や子どもを背負った母親、工場で働く人まで、プラカードを掲げ、掛け声をかける1〜5万人がマンハッタン区ミッドタウンを埋め尽くした。この運動の仕掛け人は、全米女性機構(NOW)の共同創始者、ベティー・フリーダンさん(当時49歳)。「スタイルや生い立ち、雰囲気が違っていても、皆参加できる」デモを目指した。その後も、黒人活動家グループや若い急進派にも連帯を呼びかけ、活動を膨らまませる。それが、教育の場で性差別を禁止する72年の教育改正法第9編「タイトルIX」につながった。73年には、連邦最高裁判所が人工妊娠中絶を州政府が制限することを違憲とする判断「ロー対ウェイド」を下している。
ピュー・リサーチ・センターによると現在、全米の女性の「61%」が自身をフェミニストだと認識している。ただ、45%がフェミニズムは排他的だと指摘している。それは、50年前にフリーダンさんがすでに懸念していたことだったという。