ニュージャージー州のマーフィー知事は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出制限などにより生じた57億ドル(約6040億円)の財政不足を埋めるため、40億ドル(約4239億円)の借り入れや州の最富裕層への増税を含む予算案を発表した。ウォール・ストリート・ジャーナルが26日、報じた。
同予算案には、州の全部門におよぶ12億5000万ドル(約1325億円)の予算削減と過去最高となる49億ドル(約5218億円)の年金給付が含まれる。また、教育資金の削減を行わず、たばこ、銃、弾薬の税金を引き上げる。州の予算は通常6月30日に終了するが、同州議会は9月までの支出を賄うために76億ドル(約8054億円)の暫定予算を通過させた。知事の新支出計画は、10月1日から来年の6月30日を対象とする。企業に対する期限切れの付加税を恒久的なものとし、約2億1000万ドル(約224億円)の追加の年間収益を生む。
さらに、同州では富裕層への増税を再度呼びかけ、上位所得税の範囲を8.97%から10.75%に引き上げることで、約3億9000万ドル(約413億円)の追加の年間収益をもたらす見通し。知事は「パンデミックは大恐慌や南北戦争に匹敵する経済危機を引き起こした」と述べている。
一方、シンクタンクのニューヨーク・プログレスによると、ニューヨーク州民のうち、年収200万ドル(約2億1300万円)以上の人に増税することを支持しているのは約80%。しかし8月上旬、クオモ知事は増税すれば、富裕層が州外に逃避する恐れがあることを指摘。その代わりに、州選出の議員を通じて連邦政府による財政支援を求めていく意向を示していた。