コロナ禍で緑を求めて外出するニューヨーカーが増える中、市が予算を削減した影響で公園や遊び場の管理がなおざりになっている。ニューヨークタイムズが27日、報じた。
ブロンクス区モリサニアにある遊び場にはタバコの吸殻や注射器が散乱し、幼い子どもが自由に遊べない。ブルックリン区クラウンハイツの公園では、散歩させていた犬が花畑に落ちていたガラスの破片で足を切った。芝生も伸び放題だ。
活動家グループ、ニューヨーカーズ・フォア・パークスの代表、アダム・ガンサーさんは「公園は市の面積の14%。それが荒廃していると、市全体が70年代や80年代の悪しき状態に逆戻りだ」と懸念する。
歳入不足に陥ったニューヨーク市は、公園局の予算を総額の14%に当たる8400万ドル(約88億4400万円)を削減。毎年夏、草刈りや落書き除去のために雇い入れる1700人の臨時職員もなく、人員は例年の45%減だ。公園管理にかける時間は2万5000時間もカットされた。公園局は公園利用者にゴミを持ち帰るよう呼びかけ、ゴミ袋の配布も開始した。
公園清掃のボランティアを始めた市民もいる。ブルックリン区プロスペクトパークでは、近隣住民らが集まり積極的に清掃活動を行っている。ブロンクス区在住のルーベン・ディアスさんは毎週月曜日の朝、家の前のサウンドビュー公園のゴミを集めている。過去数週間で、ボランティアの数は40人に増えた。「市も州も頼りにならない。自分の手で解決しなければ」とディアスさんは意気込む。