20年にわたり患者に性的虐待　元コロンビア大学の産婦人科医を逮捕・起訴

コロンビア大学

　米連邦司法当局は、十数人の患者に性的虐待を加えていた疑いで、元コロンビア大学の産婦人科医、ロバート・ハッデン容疑者（62）を逮捕・起訴した。ゴッサミストが９日、報じた。
　ハッデン容疑者は1993〜2012年、大学病院で治療と称して患者の性器や胸に触るなどの虐待を繰り返していた。ニューヨーク南部地区連邦検事局のオードリー・ストラウス臨時検事は「白衣を着て、女性を食い物にしていた」と断じ、「同容疑者は自分の性欲を満たすため、約20年にわたり、未成年を含む十数人の女性を虐待していた。中には、自分が取り上げた女性もいた」と続けた。
　一方、サイ・バンス地方検事は、ハッデン容疑者との間に禁固刑を免れる州法上の司法取引を行っていた。これに対しては、市議会の女性幹部会や活動家、元患者から非難が集中。同地方検事の辞任を求める声も上がった。今年１月にはアンドリュー・ヤング元大統領候補の妻、エバリンさんが同容疑者から妊娠中に性的虐待を受けていたことを明らかにした。今回は、「州をまたいで患者を呼び、不法な性的行為に及んだ」として連邦法上の６件の罪に問われている。有罪が確定すれば、１件につき20年の禁固刑に処せられる可能性がある。
　ハッデン容疑者の弁護士はコメントを控えているが、罪状を否認する意向だ。
　コロンビア大学は同事件を受け、「勇気を出して告発した女性たちを何よりも尊重する。検事局に全面的に協力する」と述ている。