マンハッタン区チェルシーにある私立学校、アベニューズが8日から、全面的に対面授業を再開した。これに対し、一部教員は懸念を表明している。ゴッサミストが10日、報じた。
同校にはプリKから12年生までの約1500人が通う。学費は年間5万6000ドル(約591万7000円)。「全米で一番、授業料が高い 」として知られている。感染拡大予防対策を講じた再開計画によると、生徒は時差登校する。アプリを通し、健康状態に関する質問に答えた上、校舎に入る前に体温測定を受ける。そして、16人の小グループに分かれ、同じクラスメートと教員とともに、一日を過ごす。ただし、一部の授業は遠隔だという。これに対し、上級生を担当する複数の教員は8月、学校に書簡を送付。「通学途中や校内で感染リスクがある。クラスメートとの交流の機会もほとんどない。教師も遠隔授業に気を取られ、対面の小グループの教育がなおざりになる」など、懸念を表明した。
学校側は「生徒や教職員の健康や安全を優先する」との声明文を発表。教員と1対1の会議を設定したが、参加者によると「学校の方針に従うか、休職するかを迫られた」という。健康状態や家庭の事情で、在宅勤務を希望しても拒否される場合もあり、やむなく退職した教員もいる。教員の1人は匿名で「対面授業の再開は、高額の学費を正当化する目的。利益優先だ」と批判している。