ニューヨーク市の多くのビジネスやコミュニティ団体はこの夏、暴力犯罪や発砲事件の急増に対応するため、警備員を増員していたことが分かった。ウォール・ストリート・ジャーナルが14日、報じた。
マンハッタン区にある3つのビジネス改善地区とクイーンズ区の近隣グループは、通りや公共スペースの巡回にあたる民間の警備員を増員。追加の警備員は通常、武器を所持せず、問題があった場合にのみ警察に連絡するのが任務。同地区の関係者によると、ニューヨーク市の経済再開により、より多くの会社員がマンハッタン区のオフィスに通勤するためや、来客や訪問者、従業員に安心感を与えるためにも、警備員の増員は重要だったという。マンハッタン区ブライアント公園を管理するブライアント・パーク・コーポレーションは今年の夏、警備員を2人追加。同区ハドソンヤードでも警備員を数人増加したという。市が経済の段階的な再開を開始し、新型コロナウイルスのまん延を阻止するための規制を緩和したたことが影響し、ニューヨーク市では今夏、発砲事件および殺人が急増した。商業施設への強盗事件も増加し、同区での警察による暴行や人種差別に対する抗議運動の後には、略奪や暴力事件も発生した。また、市では春以降、ウイルスのまん延を防ぐために、約1万人のホームレスをシェルターからホテルや住宅に移したが、路上での排尿や違法薬物の乱用、通行人への嫌がらせに対し、一部の住民や飲食店から苦情が出ていた。