今週から、ニューヨーク市の公立学校の対面授業が一部再開した。その中には、特別支援学校(ディストリクト75)も含まれる。ゴッサミストが25日、報じた。
「子どもたちの顔を見るだけで、喜びが湧いてくる」と顔をほころばせるのは教員のジョー・マセリャロさん。ブロンクス区サウスブロンクスの公立校P186Xで、情緒障害のある幼稚園児から小学2年生までを担当する。生徒とは6ケ月ぶりの再会だが、マスク着用、ハグも禁止。6〜7フィートの社会的距離を確保しなければならず、おもちゃを共有したり、ボールを渡すといったグループ活動をしたりすることもできない。「今まで教えてきたのと反対のことばかり」と戸惑う。
市内の公立学校に通う障害児は約2万5000人。そのうち1万4000人が対面教育を希望した。1対1のコンタクトを必要とする生徒もいるため、こうした子どもたちに対する安全対策がなおざりにされているとの批判が教員などの間から上がっている。
ディストリクト75の生徒の約87%は有色人種。87%は貧困層だ。コロナに加え、黒人差別反対の動きも渦巻いた夏。生徒のトラウマ対策も必要だとマセリャロさんは指摘する。自身、春にはコロナ禍で同僚を亡くし、学校ではすでにコロナ陽性者も出ている。「いつ最悪の事態が起きてもおかしくないと覚悟している」と胸の内を明かした。