2018年から中国政府のスパイとして、ニューヨーク在住のチベット人の関連情報を中国領事館員に横流ししていたなどの容疑でニューヨーク市警察(NYPD)の警察官、バイマダージ・アンワン容疑者(33)が逮捕された事件で、市内在住のチベット人コミュニティーに動揺が広がっている。ウォール・ストリート・ジャーナルが27日、報じた。
「裏切られた。信用していたのに」と肩を落とすのはトウシ・チョペルさん。非営利団体、ニューヨーク・ニュージャージー・チベッタン・コミュニティーの元事務局長だ。アンワン容疑者は、ガワン・ダルジャルというチベット人名を名乗り、関係者を安心させていた。同団体の新年会にはNYPDや市消防局(FDNY)の職員を連れて参加し、架け橋になると豪語したこともあった。チベット亡命議会のドルジ・ツェテン議員も「スバイをしながらNYPDのメンバーとして活動し、米国軍にも所属していたこともあるとは、ショックだ」。ただ、チベット独立を求めるスピーチを批判する、寄付金を増やすためにチベットの国旗をコミュニティーセンターから撤去したほうがいいとアドバイスするなど、中国寄りの行動も見られたという。
アンワン容疑者は先週、ブルックリン区の連邦裁判所に出廷し、容疑を否認した。同容疑者の弁護士は、コメントを拒否している。
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