ブルックリン区連邦地裁のニコラス・ギャローフィス裁判官は29日、ニューヨーク州オールバニ郊外を本拠として自己啓発団体を自称するマーケティング会社で、女性会員を性奴隷として扱う秘密結社を運営していた「NXIVM(ネクセウム)」に深く関与したとして、大手酒造メーカー、シーグラムの元社長の娘で遺産相続人、クレア・ブロンフマン被告(41)に6年9カ月の禁錮刑を言い渡した。ニューヨークタイムズが30日、報じた。
ブロンフマン被告は2003年にネクセウムに入会。自分を超富豪の娘だと認められないなど社交不安障害があったが、入会して「目的意識を得た」という。それから15年間、執行委員会のメンバーとして関与。同団体を「セックスカルト」とする批判の口封じのため、私財を投じて弁護士や調査員を雇い、元メンバーやジャーナリストに脅迫などを繰り返していた 。検事当局は同被告が1億1600万ドルを同団体のために使ったと推定している。2018年7月に逮捕、起訴されていた。
この日、法廷で9人の被害者が証言。同被告によって、結婚生活や仕事、評判が台なしになったと涙ながらに訴えた。ギャローフィス裁判官は「凶悪な犯罪者の運営するピラミッドスキームを支援した」と断じ、検事側の求刑より重い実刑判決を言い渡した。弁護士は、控訴する意向を明らかにしている。
ネクセウムの創始者、キース・ラニエール被告は19年、性的目的の人身売買や詐欺などの罪で有罪となっている。
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