NY正統派ユダヤコミュニティーが規制に反発 学校閉鎖や宗教的集会制限に対し

 ニューヨーク州のクオモ知事は、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、クラスターが発生したブルックリン区やクイーンズ区などの正統派ユダヤコミュニティーが多く住む一部地域で8日から学校閉鎖や10人を超える宗教的集会を禁止した。これに対し反発が起きている。ウォール・ストリート・ジャーナルが7日、報じた。

 6日には正統派ユダヤコミュニティーでの抗議行動が激化。同区ボローパークで放火が起こり、抗議の様子をビデオに収めていた男性が顔を殴られて病院に搬送された。同地区選出のカルマン・イェーガー市議会議員(民主)は「知事は、一方的。我々と話し合おうともしない」と不満をあらわにした。シンハ・フェルダー州上院議員らも声明文で「ロックダウン(都市閉鎖)は科学的にも憲法上も極めて疑問」と批判した。これに対し、同知事は「コミュニティーが規則を守ろうとしないからだ」と反論。こうした地区では陽性反応率が5.1%に達していることを明らかにした。

 また、クイーンズ区でロックダウンを受けた地区選出のカレン・コスロウィッツ市議会議員(民主)は、「市が感染防止に関する取り締まりを強化すべきだ」と主張する。一方でデブラシオ市長の広報担当者は、8日から、マスクを着用しない人に対して1000ドル(約10万6000円)まで、集会規制違反に1万5000ドル(約160万円)までの罰金を科すと発表。「事態は深刻。規則を厳守して欲しい」と訴えている。

写真はイメージ(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)
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