「健康か仕事か」飲食店従業員のジレンマ NY市、屋内営業開始で直面 

 ニューヨーク市で屋内ダイニングが始まった。飲食店の従業員は健康を取るか、仕事を取るかのジレンマに直面している。イーターが7日、報じた。
「地方自治体からマネージャーに至るまで、私たちのことに無関心」と憤るのはイサベル・オーウェンズさん。ブルックリン区フォートグリーンにある飲食店のウェイトレスだ。「屋内では働きたくない」と申し出ると、「冬が来て、屋外営業が閉鎖されたら、真っ先に解雇する」と告げられたという。マンハッタン区内のミシュラン星レストランでサーバー助手を務めるステファニー・サルダナさんは「稼ごうとすれば、感染リスクをおかす。健康を取れば、収入はなくなる」とため息。そして、社会的距離を無視する客を尻目に、黙々と仕事を続けた。
 利用客の検温とテーブル間の社会的距離。ニューヨーク州は屋内営業を開始する飲食店に、感染防止対策を義務付けた。さらに、団体客のうち1人は連絡先を店に告げねばならず、飲食時以外はマスク着用が必要だ。空調設備を改善したところもある。それでも、飲食店の従業員を支援する活動家グループ「レストラン・オポチューニティーズ・ユナイテッド」のセク・シビイ会長は「もし利用客にマスク非着用を注意すれば、チップは見込めない。我々は弱い立場にある」と厳しい現実を指摘している。

 

 

写真はイメージ。マンハッタン区ミッドタウンで撮影(Photo / 本紙)
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