ブルックリン区カトリック教区および正統派ラビが構成する「アグダット・イスラエル・オブ・アメリカ」は8日、ニューヨーク州のクオモ知事による学校閉鎖や集会を制限するロックダウン(都市封鎖)命令はアメリカ合衆国憲法修正第1条の定める宗教の自由に抵触するとして、同区連邦裁判所に提訴した。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日、報じた。
8日に発令したロックダウンにより、感染が集中する地域内の宗教施設では定員の25%または10人を超える集会が禁止となった。9日からユダヤ教の「仮庵の祭り」が始まることもあり、超正統派ユダヤコミュニティーは「不当に標的となっている」と主張。ブルックリン区ボローパークでは数百人が参加する抗議行動が起きている。これに対し、クオモ氏の広報担当官は声明文で「感染を抑え、命を救うことを目指しているに過ぎない」と応酬した。
正統派ユダヤコミュニティーでも感染拡大防止努力を行っていないわけではない。アグダット・イスラエル・オブ・アメリカはボローパークでのイベントで、40万枚のマスクを住民に配布。ボローパーク・ユダヤコミュニティー委員会のアビ・グリーンシュタイン委員長も「安全確保は宗教的義務」としてマスクの着用や社会的距離の確保を電子メールで呼びかけている。