ブロードウェー俳優たちにも落胆広がる 劇場閉鎖期間の延長で  

 ブロードウェー劇場の運営団体、ブロードウェーリーグがこのほど、劇場閉鎖期間を来年5月30日まで延長すると発表したことで、出演者の間にも落胆が広がっている。amニューヨークが12日、報じた。

 「ブロードウェーの舞台に立つという夢を追いかけてきたのに」と残念がるのはマニュエル・コルテスさん(29)。約10年間、オフ・ブロードウェーの舞台で活躍してきたが、頼りにしていた連邦政府による週600ドル(約6万3200円)の失業者特別給付措置も7月末に失効。「ここに居続けることはできなくなった」と、故郷のメキシコに帰る決意を固めた。「ジーザス・クライスト・スーパースター」に出演していたトミー・マクダウェルさんも蓄えが尽き、メキシコへ帰る。「悲しい。抗しがたい力で 押し出されるようだ」。

 俳優活動をする人たちがよく掛け持ちするウエイターやバーテンダーといった伝統的な命綱もコロナ禍では就きにくくなった。俳優のショーン・ベルナルディさんはマンハッタン区アッパーイーストサイドのピアノバー、ブランディーズで仕事を見つけることができて「本当に運がいい」。米国で初めて性別適合手術を受けたとされる女優、クリスティーン・ジョーゲンセンさんに関する二人芝居を共同監督する企画を温めている。「ニューヨークは死んだというけど、信じない。これまで、何度も立ち直ってきたから」と機会到来を待つ。

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