UWSのホームレスの移動を差し止め NY地裁が差し止め命令

 ニューヨーク州地方裁判所のデボラ・ジェームズ判事は、ホームレスの200人をアッパーウエストサイドのルツェルンホテルから金融街のラディソンホテルに移動させる市の計画を暫定的に差し止める命令を下した。19日、ゴッサミストが報じた。

 ニューヨーク市は以前から1部屋に8〜12人を収容する寮形式のシェルターを利用してきた。しかしこの7月、コロナ感染が広まると、感染対策としてホームレスたちをアッパーウエストサイドのルツェルンホテルに入れたが、周辺住民からは「生活の質が低下する」と苦情が寄せられた。「ルツェルンホテルは暫定的。恒久的なホームレス施設であるラディソンホテルに移したい」とデブラシオ市長は今週、移動を実行する予定にしていた。

 これに対し非営利団体ダウンタウン・ニューヨーカーズ・インクが先週、ホテルをシェルターとして使用するための契約が終了したため、市が移動を進めることは許可するべきではないと主張し差し止めを求めて提訴。ルーサンホテルの住民も加わって「アルコホーリクス・アノニマス(AA)など、同ホテルで開催されるイベントに参加できなくなる」などと主張した。今回の差し止め命令はそうした声を聞き入れたもの。ホームレスを支援するリーガル・エイド・ソサエティー(LAS)のジョッシュ・ゴールドファイン弁護士は「市の決定は性急で軽率。急ぐ必要はないというのが判事の見解。移動が理屈にかなうかじっくり考えるべきだ」と話している。

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