人権擁護団体がNY市長らを提訴  「抗議者たちの荒々しい取り締まりは違憲」

 人権擁護団体、リーガル・エイド・ソサエティー(LAS)及び全米市民義勇連合(ACLU)は、この夏、ニューヨーク市警察(NYPD)が抗議行動参加者を荒々しく取り締まったのは憲法修正第1条と第4条に違反するとして、デブラシオ市長らを提訴した。ゴッサミストが24日、報じた。

 白人警官による黒人男性ジョージ・フロイドさん暴行死事件を発端に、5月末〜6月、市内でも抗議行動が発生した。参加者からは、警官に取り囲まれ、警棒や拳で殴打された、結束バンドできつく縛り上げられて、長期に渡る神経損傷を受けたなどの被害が報告されている。

 訴訟は、警官に暴行を受けたと訴える11人が原告。その1人、ジャレット・ペインさん(34)は、6月2日夜、外出禁止令が発効するとトランプタワー付近で「背後から不意打ちを食らい、7人の白人警官に警棒で殴れた」と述懐する。 毎夜、荒々しい取り締まりに関するビデオが公開されているにも関わらず、デブラシオ市長NYPDのダーモット・シェア本部長らは「意図的にこうした手法を禁止せず、かえって称賛して助長した」と原告側は告発状で訴えている。

 抗議行動に対する一連の取り締まりを巡っては、300人を超える市民が市やNYPDを訴える意向を表明している。 

 

6月にブルックリン区で行われた抗議活動の様子(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)