クオモ知事、トランプ政権を非難 「ワクチンで不法移民をあぶり出す」

 ニューヨーク州のクオモ知事は2日、トランプ政権が新型コロナウイルスのワクチンを提供する際に「個人の識別番号」を尋ね、不法移民をあぶり出そうとしていると非難した。ゴッサミストが2日、報じた。

 個人の識別番号には、運転免許番号、パスポート番号、ソーシャルセキュリティー番号などが想定される。「健康上の問題に関して、こうした情報は不必要。情報を強要し、米国土安全保障省(HSI)や移民税関捜査局(ICE)のために流用しようとしている」とクオモ知事は指摘。「これを許すわけにはいかない」とクギを刺した。

 これに対し、ホワイトハウスの広報担当者は「コロナ対策の一環で、人命を救う目的」と反論。「こうした情報を尋ねることはない」と釈明している。

 ニューヨーク州では不法移民も運転免許証の入手が可能。ただ、移民当局が免許証の情報を得るためには裁判所の許可を必要とするという条例がある。

 ワクチンは来年初にも入手が可能になると専門家は予想する。ただ、2回投与が必要な場合、2回目のお知らせを送付するなど、何らかの個人情報は必要。米疾病対策センター(CDC)は、ワクチンの副作用に関する情報も収集することになる。

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