新型コロナウイルスの影響による地下鉄利用者の減少に伴い、駅構内に店舗を持つビジネスが苦境に立たされている。ニューヨークタイムズが3日、報じた。
ニューヨーク市の地下鉄は1世紀以上の間、通勤者や観光客を運び、市の経済の基幹として機能していたが、同時に、毎日駅を通過する何百人もの人々により支えられるビジネスを生んだ。しかし、利用者の激減で、それらビジネスはほとんどの顧客を失った。パンデミックによる約7ケ月間の閉鎖後、営業を再開したグランドセントラル駅の有名店「オイスターバー」は、客足がすぐに遠のき、再開からわずか2週間で再度、閉鎖した。
ニューヨーク都市交通局(MTA)によると、地下鉄駅構内の321の小売店のうち、77店舗が完全に閉鎖している。残った店舗の営業を継続させるため、MTAは先週、長期の家賃救済計画を導入し、ビジネスが復旧するまで、現在の売上高を考慮して家賃を調整した。しかし、一部の店主は、地下鉄利用者が通常の30%まで減少し、多くの企業が従業員の在宅勤務を継続する方針であることから、すぐにパンデミック前のレベルに戻る可能性は低いと考えている。パンデミックにより、通常は混雑する駅から人の姿が消えたが、エッセンシャルワーカーが多く住むマンハッタン以外の区で、利用者が増えている地域もあるという。