地下鉄システムで重犯罪が増加  犯罪全体は減少でも、利用者減少率に見合わず

 新型コロナウイルスの影響により、利用者が激減したニューヨーク市の地下鉄システムで、殺人や強姦などの重犯罪が増加している。ゴッサミストが3日、報じた。

 同市の地下鉄利用者数は、パンデミック前と比較し、70%以上減少した状態が続いているが、システム内で起きた強姦、殺人、重暴行、重窃盗、強盗などの主要な重犯罪は、昨年同時期と比較し、23%しか減少していない。殺人および強姦は、昨年の2倍に迫る勢い。先月のシステム内での犯罪は、昨年同時期の213件からわずか30%減の149件だった。

 ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、犯罪増加の原因について、システム内での逮捕者数の大幅な減少を挙げ、市警察(NYPD)の警官の仕事ぶりを非難した。9月の逮捕者数は、昨年同時期の746人から152人へと80%近く減少し、召喚状発行数は約88%減少していた。

 一方、NYPDのダーモット・シェイ本部長は、犯罪増加の原因は、地下鉄利用者数の減少にあると反論した。強姦や犯罪が増加する一方で、システムにおける全体的な犯罪の数は、今年に入って6ケ月の間、劇的に減少していた。1日500万人以上が地下鉄を利用していたパンデミック前の1月には、438件の犯罪が起きていたが、6月には192件へと56%減少していた。しかし、この減少率は、同じ期間中の利用者の減少率84%に見合ったものではない。

Yurika Fukagawa / 本紙

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