警察関係者のための非公式オンライン掲示板「ラント」に、ニューヨーク市警察(NYPD)雇用機会均等課の警視が、人種差別的な投稿をした疑いがもたれている。ニューヨークタイムズが5日、報じた。
ラントでは2019年夏から今年の初秋にかけて、“クルーソー”というハンドルネームで、黒人やプエルトリコ人、超正統派ユダヤ人などへの悪意ある数百件の投稿があった。クルーソーは、オバマ前大統領を「イスラム教徒の野蛮人」と呼び、黒人であるブロンクス区のダルセル・D・クラーク地方検事を「すきっ歯のワイルドビースト」と呼んだ。
捜査により、ジェームズ・F・コベル警視(50)がクルーソーである疑いが浮上。同警視は自主的に、携帯電話とパソコンを捜査官に提供したという。クルーソーの投稿には、経歴や婚約、母の死など、同警視と共通する人生の詳細な事柄が記されていることと、控えめで真面目とされる警視の評判から、何者かが意図的に同警部を陥れようとした可能性についても検討された。しかし、警視のパソコンから、クルーソーというハンドルネームを承認するラントからの電子メールや、携帯電話からは、クルーソーが掲示板でアバターとして使っていた映画「ピンクパンサー」のクルーソー警部の画像が見つかった。クルーソーのプロフィールと投稿は、既に削除されている。