新型コロナウイルスの影響を受け、ニューヨーク市のタクシードライバーが苦境に立たされている。ニューヨークタイムズが12日、報じた。
同市では、経済の一部は再開されたが、ミッドタウンを中心にオフィスは閉鎖されたまま、観光客はなく、空港利用者も激減している。市の最新のデータによると、タクシー業界の収益は前年同時期比で81%減少していた。
春のロックダウン時には大きな打撃を受けたウーバーやリフトなどのアプリによる配車サービスの回復はより早く、収益は昨年より約3分の1減少しているものの、通勤時間以外の市の利用者数は戻った。市交通局の元幹部、ブルース・シャラー氏は、ウーバーなどの配車アプリ企業と比較し、タクシーは公共のイメージが強く、感染を恐れ避けられる可能性があると指摘している。同ウイルスの感染により死亡したドライバーも多かったことから、ピーク時には、感染を恐れるなどの理由で、ほぼすべてのドライバーが完全に仕事を辞めていた。休職中のドライバーの多くは、失業保険給付金に上乗せされる連邦政府からの週600ドルの特例加算をあてにしていたが、これも夏で打ち切りに。それでも、仕事への復帰を躊躇するドライバ―が多く、9月に稼働していたイエローキャブは1日平均3257台、マンハッタン区外を走るグリーンキャブが575台で、昨年同月より約70%少なかった。