ブルックリン区の家主2人をNY市が提訴  「露骨な嫌がらせ」で賃借人を追い出す

 
 ニューヨーク市は、ブルックリン区クラウンハイツにあるアパートビルの住民を不正に追い出したとして、家主2人を提訴した。ゴッサミストが18日、報じた。
 この家主は、ジェンナーロ・ブルックス=チャーチ被告とロレッタ・ゲンドビル被告。2人は元夫婦で、ディーン通り1214番地のアパートビルの共同オーナーだ。この夏、コロナ禍で失職した賃借人複数に家賃未払いが発生すると、2人は賃借人の部屋を度々訪れ、立ち退きを迫った。その中には、頭部の手術を受け、病院から戻ったばかりの若い女性もいた。7月には賃借人の支援者や活動家ら100人以上がビルの前に集結して抗議し、数日間居座るという事態に発展している。
 市は、州の強制退去禁止条例に反して「実力行使や脅迫で露骨な嫌がらせ」を繰り返し、アパートから賃借人を不正に追い出したと主張。一戸建てタウンハウスを許可なくアパートビルに改造した疑いもあるとして、罰金の支払いを求めていく考えだ。賃借人の多くはサービス産業で働く若者で、リース契約はなく、メンテナンスサービスの提供もされていなかった。
 市で賃借人保護を担当するリカルド・マルティネス・カンポスさんは「家主の不正行為を見逃さない。今回のように容赦なく法に訴えていく」と語っている。2人の被告はコメントの求めに応じていない。