NYUの教授が同僚教授19人を提訴  授業でマスクに反対し非難受け


 マスクの着用を巡る学生への対応が問題視されたニューヨーク大学(NYU)の教授が11月30日、同僚の教授らを名誉棄損で、マンハッタン区のニューヨーク州高位裁判所に提訴した。ニューヨークポストが2日、報じた。
 NYUのシュタインハルト・スクール、メディア科のマーク・クリスピン・ミラー教授が9月、授業で、極右の陰謀説を引用し、マスクは新型コロナウイルスのまん延防止に効果がないと話したことで、学生の1人がツイッター上で同教授の解雇を呼びかけた。大学側は、同教授のクラスの学生に、マスク着用を促すメールを送信し対応。同スクールの教授ら25人は10月21日、同教授が同学生を非難したことや、権威ある立場を利用し、マスク着用を選択した学生を威嚇したとする文書を学部長に送った。また、同教授の教室での行動、授業やウェブサイト上で展開する見識について、学生から日常的に苦情を受けていることも訴え、適切な処分を求めた。これを受け大学は、同教授の素行について公開審査を開始した。同教授は、「虚偽の主張により、経歴と職業上の名声を傷つけられた」として、文書を送った教授のうち19人に対し、75万ドル(約7795万円)の損害賠償を求め提訴した。同教授が「学問的自由」を擁護するために立ちあげた嘆願サイトには、著名人を含む約1万8000人の署名が集まっている。

 

ニューヨーク大学のキャンパス(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)