ニューヨーク市のデブラシオ市長は10日、コロナによる学校閉鎖やトラウマを原因とする学習ロスを調査すると発表した。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日、報じた。
市内の公立学校は今週、対面授業を再開した。ただし、それは一部に過ぎず、多くの生徒は対面授業の機会を失ったままだ。「コロナにより、教育達成度にギャップが生じているのは明白。このギャップを埋めていかなければならない」とデブラシオ市長はコメント。個人および公立学校制度全体のニーズを把握したいとしている。ただし、市の教育関係者によると具体的な調査方法はこれから詰めていくという。
これに対し、活動家団体からは手ぬるいと批判の声が上がっている。アドボケーツ・フォア・チルドレン・オブNYの責任者、キム・スィートさんは「証拠に基づいて支援と資源を組織的に提供すべきだ」と主張している。全米の生徒を対象とした調査で、この秋、数学の達成度が昨年よりも落ちているという報告もある。
コロナは市内の高校進学手続きにも影響を及ぼしている。優良高校が例年、選考基準に使っている8年生の学力試験が来春、中止になったからだ。市教育局(DOE)のリチャード・カランザ局長は冬休みが始まる今月23日までに、手続きを発表するとしている。