ニューヨーク市内で同日、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。ニューヨークタイムズが14日、報じた。
午前9時20分、市内で最初に接種を受けたのはクイーンズ区にあるロングアイランド・ジューイッシュ・メディカル・センターで救急看護師ディレクターを務めるサンドラ・リンゼイさん(52)だ。病院が接種のボランティアを募るとすかさず手を挙げた。医療関係者の間でもワクチンに懐疑的な見方がある中、「『模範になれば』と思った」という。「科学に基づいている。私は科学を信じる」と強い思い入れを語り、「皆、勇気を出して、ワクチン接種を受けてほしい」と訴える。
ジャマイカ生まれ。リーマン・カレッジで看護師の資格を取った。その後、修士号も取得して、現在、博士号に挑む。この春、コロナ第1波が訪れると、病院は150人の患者を受け入れた。通常の3倍。目が回るほどの忙しさで「どのように家にたどり着いたか分からない」日も1日や2日ではなかった。
接種を受けた腕に「インフルエンザの予防接種を受けたときのような痛み」が多少ある。それ以外は、問題はないそうだ。ロングアイランドのポートワシントンにある自宅で、高血圧と糖尿病を患う祖母の面倒をみる。「ほっとした。希望が持てる」と顔をほころばせた。