ニューヨーク市は18日、コロナ禍の影響を考慮して、中学校の選考基準から学力を除外すると発表した。志望者が定員を超過する場合は、ロタリーを使う。ただし、地域住民や英語学習者などを優先してきた中学は、その優先基準を引き続き使うことができる。願書受付は来年1月11日の週から2月8日の週まで。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日、報じた。
高校には、2018〜19年度のニューヨーク州学力試験や成績、19年秋の成績を考慮することを認める。マンハッタン区タイブサント高校などを含む8つの難関校「スペシャライズド高校」は従来通り、入学試験を実施する。試験は、各志願者の中学で行われ、1月27日から願書を受け付ける。高校の地域住民優先基準は認めない方向。願書受付は同1月18日の週から2月22日の週まで。
新型コロナウイルス蔓延でこの春、州学力試験は中止となった。昨年末の成績に関しても「満足できる水準」「努力が必要」など学力判断基準を甘くしている。デブラシオ市長は「コロナで、公立校における教育格差が浮き彫りとなった。教育の機会均等を拡大させたい」と語った。
入学試験を巡っては、家庭教師をつけることができない貧困層に不利で、人種差別的との批判がある一方、学力の優れた生徒を選ぶために残存させるべきだとの主張する保護者もいる。