カリフォルニア州ベンチュラ郡の警察当局は7日、マンハッタン区ソーホーのアリオホテルで「携帯電話を盗んだ」と言いがかりをつけ、14歳の黒人青年にタックルしたミヤ・ポンセット容疑者(22)を逮捕した。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
事件が起きたのは昨年12月26日。同容疑者は、ソーホーのホテルのマネージャーに助けを求めた後、「彼が私の携帯を持っている」と叫び青年の後を追い、タックルをして携帯電話を取り返そうとした。この様子は青年の父親でジャズ音楽家、キーヨン・ハロルドさんが携帯電話で録画してSNSに投稿。ニューヨーク市警察(NYPD)も防犯カメラ映像を公開している。しかし、容疑者の携帯電話はウーバー車の中に忘れてきていたことが判明。ハロルドさんは同容疑者およびホテルのマネージャーの態度は「黒人を脅威だと決めつける社会の構造的な問題に根ざしている」と批判。NYPDは同容疑者の住むカリフォルニア州に警察官を派遣し事情聴取をするという異例の措置を取った。
ポンセット容疑者はベンチュラ郡留置所に勾留されており、ニューヨーク市への移送に関する公聴会を待っている。同容疑者のシャレン・ガタン弁護士は、同容疑者はプエルトリコ人とベトナム人を両親にしており、「私は白人ではないし、彼が黒人だから標的にしたというわけではない」と釈明している。