ニューヨーク市のデブラシオ市長は14日、来年度の不動産に関する税収が25億ドルも減少すると予測していることを明らかにした。7月から始まる来年度予算で不動産税収を318億ドルと見込んでいたが、その1割近くを下方修正せざるを得なくなった。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
コロナ禍、今月初のホテル占有率は29%。昨年同時期は69%だった。しかも230軒が閉鎖中。商業用不動産もテナントが利用しているのは2050万平方フィートと過去20年で最低水準だ。これにより資産価値が15.8%も下落。税減収につながっている。デブラシオ氏は「ホテル業界やミッドタウンは未曾有の低迷」と指摘。すでに、市職員7000人を解雇したが、5000人を追加する予定だ。市によるサービス削減も危惧されている。
頼みの綱は連邦政府による救済。実際、ニューヨーク州選出のチャック・シューマー次期多数党上院院内総務は、州や市によるコロナ対策費を昨年3月にさかのぼって肩代わりすることでバイデン次期大統領と合意したと発表した。ニューヨーク州と市で20億ドルの支援が期待できる。市の教育関連費用などは削減を免れる見込みだ。ただし、州の歳入不足は総額150億ドル。これを全て補填できるかについてシューマー氏は「できることは全て実施する」と明言を避けている。