ニューヨーク市内の美術館を訪れるニューヨーカーが増えている。ウォール・ストリート・ジャーナルが26日、報じた。
クイーンズ区在住のスラビック・クハルチャックさん(33)は先週、メトロポリタン美術館(MET)に行ってみた。海外などからの観光客は途絶え、グレートホールにも客はまばら。「美術館を独り占めしたようなユニークな体験だった」と微笑む。
入場者は定員の25%まで。コロナ前には1日2万5000人が訪れていた同美術館も今では5000人程度だ。入館には予約が必要。開館時間も短縮され、火曜日と水曜日は休館だ。入り口で体温チェックもある。コートを預けることもできず、カフェも閉鎖中だ。ただし、館内ツアーの利用は、客の30%から90%に増加しているとのこと。時間を掛けてゆっくり美術品を鑑賞する客が増えているようだ。広い館内は密になる心配はないが、客はマスクを着用し、至るところにハンドサニタイザーが設置されている。「この際、裏庭の宝石のようなMETを楽しんでもらいたい」と広報担当者は呼びかける。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)やブルックリン美術館でも状況は同じ。ただ、ブルックリン美術館は毎日20%の入場券を予約なしの客に割り当てる。最近、サンドイッチやビーフジャーキーが出てくる自動販売機も導入して便宜を図っている。