ニューヨーク州のレティシア・ジェイムス司法長官が1月28日に発表した、高齢者介護施設における新型コロナウイルス被害報告書が、クオモ知事を窮地に追い込んでいる。ウォール・ストリート・ジャーナルが1月31日、報じた。
同報告書により、州が施設入居者の同ウイルスによる死者数を約50%少なく報告していたことが明らかになった。これを受け、州保健局のハワード・ザッカー局長は、施設で死亡した8914人に加え、3829人の施設入居者が、病院搬送後に同ウイルスで死亡していたと説明した。
同局は3月25日、新型コロナウイルスの陽性反応を示したことだけを理由に、施設への入居を拒むことを禁止する指示を出していた。しかし同報告書によると、ウイルス陽性者の受け入れが、他の入居者への感染のリスクと感染後の死亡者の増加をもたらした可能性があると示唆している。共和党は3月の指示を非難し、州が死者数について隠ぺいを図ったとして、知事を攻撃した。両党の州議会議員は、施設入居者の死亡を引き起こした原因を徹底的に調査するよう求める声を高めた。知事は29日の記者会見で、共和党が問題を政治化させていると反撃した。関係者らは、2018年の選挙で同司法長官を支持し資金調達の支援をした知事と、司法長官との関係が、同報告書により危うくなる可能性を示唆している。