ニューヨーク市で、地下鉄高架線からの落下物から歩行者を守るために、ニューヨーク州都市交通局(MTA)が設置したネットが、新たな危険を生み出している。ゴッサミストが3日、報じた。
地下鉄の高架部分から線路の破片が落下するという事故が数回発生したことを受け、MTAは昨年、高架部分に、落下物を受け止めるナイロン製の保護ネットを設置した。そこに今、雪が溜まって重みで垂れ下がり、車両の通行を妨げ、歩行者を危険にさらしている。ブロンクス区キングスブリッジ地区の地下鉄1線の高架下では、雪が溜まったネットが袋状になり、手で触れることができるところまで垂れ下がった箇所もある。住民によると、垂れ下がったネットにより複数の信号機が隠れ、またバスやトラックが引っ掛かってネットが避けた部分もあるという。
このような状態はマンハッタン区やクイーンズ区でも見られるといい、NYトランジットの職員は、6つの地域の高架下を閉鎖し、シャベルで雪を叩き落とす除雪作業を行った。地下鉄の車掌で組合活動家のトランメル·トンプソンさんは、「MTAは、落下物に対する早急な解決策が必要だったため、ネットに雪が溜まることを考慮していなかった。雪が凍って落下する前に、対処しなければならない」と指摘した。これまでに、負傷者や物的損害は報告されていない。