市内公立校の生徒の自殺が多発
「広がる絶望感」今学期になってすでに5人
ニューヨーク市内の公立学校に通う生徒の自殺が相次いでいる。今学期になってすでに5人で先学期の4人を上回った。11日付ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
「子供の発達に重要な、友達との交流がコロナ禍で欠如している」と指摘するのは幼年期・思春期の問題に詳しい精神科医、シャーパー・タスキラン氏。10日、自殺願望の兆候がある公立学校の生徒を入院させることにしたという。「コロナは一過性との見方ができず、子供の間に絶望感が広がっている」と説明する。
夏休みまであと4か月もある。デブラシオ市長は「対面授業ができておらず、難しい状況にある。心が痛む」とコメント。「学校再開が解決のカギ」として、幼稚園や小学校に加え、来週からは中学校の対面授業再開に踏み切ることにした。高校再開も今学期終了までには実現したい考えだ。
その間、学校はソーシャルワーカーや危機支援チームを駆使して、リスクの高い生徒を援助する。懸念がある保護者は学校のカウンセラーやソーシャルワーカーに連絡を。ニューヨーク市が運営するNYC NYC Well(1−888−NYC−WELL)や全米自殺防止ライフライン(1−800−273−8255)でも無料相談を受け付けている。