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2021.03.11 その他記事

海に花束、妻と子の面影求め

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福島県南相馬市で海に花束を投げ入れる女性(62)。多くの友人や知人が津波の犠牲になった。「まだ海のどこかで眠っている人もいるから、届いてほしい」。海に浮かぶ花を見つめ手を合わせた。「かけがえのない命、10年たっても悲しみがなくなることはない」と話した=11日午前11時51分

 岩手、宮城、福島3県の被災地で11日、地震発生時刻の午後2時46分、多くの人たちがいとしい人の面影を探し求めた。福島では、自由に行き来できない古里へ思いを募らせる人の姿があった。

 岩手県山田町の漁港を訪れた建設業久保田輔さん(39)は、堤防から花束を海にささげた。妻恵理子さん=当時(29)=と3人の子どもが今も行方不明。新たな家族と福島県いわき市で暮らし、毎年この日だけは恵理子さんらと暮らした山田に帰ってくる。「会いに来たよ。また来年来るからね。みんな愛してる」。涙を拭った。

東日本大震災から10年、地震発生時刻に合わせ海に向かい黙とうする人たち。奥は「奇跡の一本松」=11日午後2時47分、岩手県陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園

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